子宮内膜症とは?原因・症状、不妊症との関係、治療法は?

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子宮内膜症とは

「子宮内膜症」は近年若い女性に増え続けている、女性特有の病気です。
命にかかわることは稀ですが、不妊の原因になることがあるため、これから妊娠を考えている人は特に注意が必要です。

今回は、子宮内膜症がどのような病気なのか、原因や症状、治療法について詳しくご紹介します。

1. 子宮内膜症とは?

子宮内膜症とは

子宮内膜症とは、子宮の病気ではありません。子宮内膜に似た組織が、子宮以外の場所で増殖する良性(非癌性)の病気です。
卵巣、卵管、腹膜、直腸、膀胱などによく起こります。

組織は子宮内膜なので、月経時には、その飛び火した場所で月経と同じように出血します。

しかし、子宮内の膣のように出口がないため体内に滞留し、他の組織と癒着を起こしたり剥離したりを繰り返します。

卵巣内にできた子宮内膜症は、「子宮内膜症性卵巣嚢腫」、別名「チョコレート嚢腫」と呼ばれます。
卵巣内で繰り返し出血して血液が溜まり、卵巣の機能を低下させ、ごく稀に卵巣がんとなるリスクがあります。

1-1 子宮内膜症は若い女性に多い

子宮内膜症とは

近年、子宮内膜症を発症する人の年齢は20~40代と若い女性に増えています。
その理由には、子宮内膜症の増殖と剥離を繰り返す「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と呼ばれる女性ホルモンの働き関係しています。

・初潮が早く、閉経が遅くなっている
・働く女性が増え、妊娠や出産が減っている
・食事が欧米化して、動物性タンパク質や動物性脂肪の摂取が増え、エストロゲンの分泌量が増加している

これらライフスタイルの変化により、エストロゲンの過剰な影響を受け子宮内膜症の発症者数は増加していると考えられています。

1-2 子宮内膜症は不妊症になりやすい

子宮内膜症とは

子宮内膜症が卵巣や卵管・腸管などと癒着を起こし、精子や受精卵の通過の妨げになることや、チョコレート嚢腫になり正常な卵子の成長と排卵が障害されることなどから、不妊になる場合があると考えられています。

事実、不妊症の検査で発見されることが非常に多く、不妊症の人の3割近くが子宮内膜症であるという報告もあるほどです。

しかし子宮内膜症があるからといって、必ず不妊症になるわけではなく、子宮内膜症が軽度なら、自然妊娠も目指せます。

病状が進行すると不妊治療が不可欠になるケースもありますので、今後妊娠を望む人は子宮内膜症のリスクを認識した上で、定期的に検査を受けるようにしましょう。

2. 子宮内膜症の原因

子宮内膜症とは

子宮内膜症になってしまうメカニズムは、まだはっきりとわかっておりません。
今のところ、月経の際に、本来であれば経血として排出されるはずの内膜が逆流する、という説が有力です。

つまり、普段から経血量の多い方や、多くなくても経血の排出がうまくできない方、更には月経回数が増えれば増えるほど発生しやすいのでは?と指摘されています。

子宮内膜が剥がれ落ちる回数は年々増加していきます。この影響からか、10代よりも20代、30代よりも40代と、年齢を重ねるごとに発生リスクが高いという結果が出ています。

更に、不規則なライフスタイルやストレスなど、多くの要因が重なることも原因の1つと言われており、忙しく働く現代女性はホルモンバランスを崩しやすく、子宮内膜症が発症する高リスクを抱えていると考えられています。

遺伝性もあり、お母さんや姉妹が子宮内膜症を患っている人の方がなりやすいとも言われています。

性行為のしすぎや、タンポンの使用で子宮内膜症になる?という声もありますが、医学的な関連性は明らかになってはいません。

3. 子宮内膜症の症状

子宮内膜症とは

どの部位で子宮内膜が形成され、大きさや癒着の程度によって症状はさまざまですが、一番代表的な症状は、「激しい生理痛」です。

子宮内膜症は発症しても、最初はとくに目立った自覚症状は現れず、生理を繰り返すたびに、徐々に下腹部と骨盤部の痛みが強くなっていくのが特徴です。

進行すると、日常生活が送れなくなるほどの激しい痛みを感じることもあり、場合によっては毎月寝込んでしまったり、痛み止めが効かなくなったり、気絶するほどの痛みに襲われることもあります。

通常の生理に伴う症状としては、以下のようなものがあります。

・頭痛
・関節痛
・性交痛
・排便痛
・不正出血
・月経時の経血量の増加
・レバー状の塊が出る

このように主に痛みの症状が出る子宮内膜症ですが、閉経を迎えると卵巣からホルモンが分泌されなくなり、子宮内膜症も急激に減少することが分かっています。

妊娠・産後の生理がなくなる時期も、エストロゲンの働きが抑えられて子宮内膜症の症状は軽減されます。

4. 子宮内膜症の治療法

子宮内膜症とは

子宮内膜症の治療には、大きく「薬物療法」「手術療法」の2つに分けられ、場合によっては併用して行います。
どの治療を行うかは、年齢や症状、発生している箇所、妊娠の予定などに配慮して決められます。

5-1 薬物療法

薬物療法では、まずは鎮痛剤で痛みを抑える方法がとられます。
そこで効果がなければ、ホルモン剤を使用して、病巣部を一時的に縮小させる方法や、低用量ピルを使用して月経量を減らす方法、漢方薬で長期的な体質改善を図る方法がとられます。

偽閉経療法

擬似的に閉経状態をつくる方法です。4~6ヵ月の間ホルモン薬を投与し、エストロゲンの分泌を抑えて月経を止め、閉経状態にします。
用いる薬によっては、のぼせやほてり・憂鬱な気分などの更年期障害と似た症状や、ニキビ、体重増加といった副作用が出ることがあります。

治療中は、子宮内膜症から生じる月経痛や、病気の進行そのものは止まります。
ただし、治療を中止して再び月経が始まると、子宮内膜症が進行してしまう可能性があります。

偽妊娠療法

擬似的に妊娠状態をつくる方法です。
薬には、黄体ホルモン製剤や低用量ピルが使用されます。妊娠中と同じようなホルモン状態にし、エストロゲンの分泌を抑えて、月経を止めてしまう治療法です。

擬閉経療法に比べて、副作用が少なく、長期間にわたって服用することが可能です。
ただし治療効果が薄いので、長期間の治療が必要となります。

漢方薬

一時的に痛みなどの症状を和らげるのに、漢方薬が使用されることもありますが、子宮内膜症そのものの治療というわけではありません。
漢方薬から得られる効果は比較的緩やかなので、時間がかかります。
そのため、重い痛みを伴う子宮内膜症の場合、鎮痛薬を併用することも多いです。

5-2 手術療法

手術療法は、大きく分けて2種類あり病巣部のみを除去する「保存手術」と子宮を全部摘出する「根治手術」があります。手術方法には、お腹を切開せず内視鏡をみながら処置する「腹腔鏡手術」と、腹部を開腹して行う「開腹手術」があり、症状や病変の大きさ、妊娠の希望などの条件に配慮して決められます。

保存手術

子宮内膜症の病巣だけを取り除いて、子宮や卵巣は残しておく手術です。
卵巣チョコレート嚢胞に対しては、嚢腫の核出や、高周波による焼灼などが、保存手術として行なわれます。
2つある卵巣のうち、1つだけを切除する場合も、保存手術に含まれます。

根治手術

子宮と卵巣・卵管を摘出します。癒着が激しい場合や、保存手術したものの再発した場合などに行われます。
再発の可能性が無いというメリットはありますが、女性ホルモンの分泌が止まることによって更年期障害につながる可能性や、摘出による内臓下垂などのデメリットもあります。
そのため、子宮や卵巣を一部残す準根治手術という方法がとられることもあります。

5. まとめ

子宮内膜症とは

子宮内膜症は、原因が明確ではないため確実な予防法がなく、誰にでも発症する可能性があります。
しかし、昔からよく「女の子は腰を冷やしては駄目」と注意されてきた人も多いと思いますが、冷えに気を付け、健康的な生活を送ることは大切です。

子宮内膜症は自然と治る症状ではなく、早期発見・早期治療が必要となります。
少しでも疑わしい症状があ場合、一人で我慢せずに、医師に相談するようにしましょう。

そして、生理に注意し、病気のサインを見逃さないようにしましょう。

この記事は2016年6月8日(水)時点での情報になります。
また、記事の内容には個人差がございますのでご了承ください。

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