生理中や生理前に貧血になる原因、フラつく症状に効く5つの対処法

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生理 貧血
生理前や生理中に、「貧血っぽいな…」と感じたことはありませんか?

普段は何でもないのに、生理の時だけめまいや立ちくらみのような症状が起こるというあなた、その貧血は「虚血性貧血」という生理特有の貧血です。この貧血、頭痛や吐き気、時には失神などを起こすこともあるので、症状が現れたら、すぐに適切な処置をとることが大切です。

そして、「生理時の貧血の症状がなんだか続いている…」というあなたは、隠れ貧血の可能性があります。隠れ貧血は、PMSや生理不順、不妊症を招く恐れもあるため、早期対策が必要です。

今回は、生理と貧血の関係、すぐに効く症状の改善法、隠れ貧血のセルフチェック、日頃から気を付けたい貧血の予防法など、まとめてご紹介します。

1. 生理と貧血の関係

貧血とは、「血液中で、酸素を運搬する役割を持つヘモグロビンの量が基準値よりも下回り、全身へ必要な酸素を供給できなくなる状態」のことを言います。
貧血は、主に鉄不足が原因とされますが、生理前や生理中は、生理特有のメカニズムで、貧血の症状が引き起こされます。

1-1. 生理前・生理中の貧血は、脳の酸素不足が原因

生理 貧血
生理前や生理中に貧血になるのは、血流バランスの乱れによる脳の酸素不足が原因です。

生理前・生理中は、経血を排出しようと子宮が活発に動き、血液は子宮の周りに集中します。このため、本来脳にいくはずに血液量が低下し、脳が酸素不足となって、貧血の症状が現れるのです。

一時的な血流の乱れにより、局所的に発生する貧血は「虚血性貧血」と呼ばれ、一般的な鉄不足によって起こる貧血とは、タイプが異なります。
生理前・生理中の貧血はこの「虚血性貧血」で、脳に必要な血液や、それに伴う酸素が供給されないことで、貧血となるのです。
もともと貧血がある方の場合は、虚血性貧血の症状がより強く出る傾向があります。

1-2. 経血は貧血の直接的原因にはなりにくい

生理 貧血
生理中は、経血が出ているから鉄不足で貧血になると思われがちですが、生理中の経血と貧血の直接的な関係性は、ほとんど無いといわれています。

なぜなら生理中の出血では、1日に体が必要とする鉄分量のうち、10分の1程度しか排出されていません。
更に、経血とは血液そのものではなく、子宮から剥がれた内膜が、酵素によって分解されて液状になったものです。まれに生理で血液が含まれることもありますが、その量はごく微量です。
これらのことから、生理中に経血が出るだけでは貧血になりにくいと考えられています。

ただし、鉄分は身体の中で生成できないため補う必要がありますが、偏食などから十分な鉄分が摂取できないと、毎月の生理の積み重ねや妊娠で体内の鉄分が不足して、生理前・生理中以外でも貧血の症状が続いてしまうことがあります。
こちらについては、第4章で詳しくご紹介します。

2. 生理前・生理中の虚血性貧血における主な症状

生理 貧血
生理前や生理中の虚血性貧血では、脳にうまく酸素が運搬されずに酸欠状態となって、身体にさまざまな症状が現れます。

【虚血性貧血の症状例】
・めまい
・立ちくらみ
・血の気が引く
・冷や汗
・眠気
・頭痛
・吐き気

一般的な鉄分が不足して起こる貧血と同じような症状ですが、虚血性貧血の場合は、急激な貧血症状が起きることが特徴です。ひどい場合は、失神を引き起こすこともあります。

虚血性貧血の症状は一時的なものなので、生理が落ち着き、血流のバランスが整うと、自然に治まります。
とはいえ、貧血の症状が気になったり、慢性的に続いたりするようであれば、内科や婦人科などで医師の診察を受けるようにしましょう。

3. 生理前・生理中にめまいやフラッとなった時の5つの対処法

生理前や生理中に貧血の症状が現れた時は、これからご紹介する5つの方法で対処しましょう。
虚血性貧血の症状は一時的なものですが、急激な貧血症状が出ることが多いので、即座に対処することが大切です。もしもめまいや、フラッときたり、不調を感じた時には、ぜひ役立ててください。

① 横になる、座る

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貧血の症状が現れたときは、すぐに横になりましょう。スペースがない時は、椅子に座るようにしましょう。
脳は一時的に酸欠状態になっています。貧血のめまいが起きた中で無理に動こうとすると、脳はさらに酸素を必要として、めまいが悪化してしまいます。
脳へ十分な量の酸素が供給されれば、状態は良くなりますので、横になったり座ったりしたまま、しばらく安静にしましょう。
貧血状態が改善されたと感じたときは、急に立ち上がったりはせずに、ゆっくりと上体を起こすようにしましょう。

② 呼吸は深く、ゆっくり

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呼吸は、深く、ゆっくりしましょう。
体調のつらさから呼吸が浅くなりがちですが、脳に酸素を供給するためには、体内にしっかり酸素を取り入れることが大切です。ゆっくり、深呼吸をするようなつもりでいましょう。

③ 着用の締め付けを緩める

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着用で締め付けているものがあれば、緩めましょう。
ベルトやボタン、ブラジャーなどをすぐに緩めて、血行改善につとめてください。

④ 身体を温める

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貧血になると、血液が循環しなくなって体温が下がるため、寒気を感じることが多いです。毛布や上着をかけて、体を温めましょう。温かい飲み物を飲むことも、おすすめです。
身体が温まることで、血流が改善されて、貧血の症状を緩和することができます。

⑤ ツボを押す(血海)

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膝の皿から内側5cmほどのところに、血海というツボがあります。このツボは、血液の循環をよくしてくれるツボなので、生理前や生理中の貧血症状に効果が期待できます。
婦人科系の症状全般にも効くため、生理不順や生理痛などでお悩みの方にもおすすめです。

【押し方】
両手の親指を重ねるようにします。少し痛いと感じるくらいの強さで、3秒押してから、ゆっくり離します。これを、3分程度繰り返しましょう。

4. 生理前・生理中以外でも貧血の症状が続く人は、隠れ貧血を疑おう

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貧血と診断されていないのに、生理前・生理中以外でも貧血の症状が続く人は、隠れ貧血の可能性があります。

隠れ貧血とは「潜在性鉄欠乏性貧血」といい、一般的な貧血とされる「鉄欠乏性貧血」の一歩手前で、身体の中の鉄の貯蔵庫が空になった状態を指します。
女性は毎月の生理や妊娠、出産などで出血が起こるため、男性よりも貧血になるリスクが高いです。事実、現代の日本人女性の2人に1人が隠れ貧血と言われています。

4-1. あなたは隠れ貧血?症状のセルフチェック

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下記のうち、4つ以上チェックが入る場合は、隠れ貧血の可能性があります。

□ 顔色がすぐれない
□ 動悸や息切れがする
□ 寝起きが悪く、身体がだるい
□ 倦怠感があり、疲れやすい
□ 首や肩がこっている
□ 風邪をひきやすい
□ 髪の毛がよく抜け、枝毛が増える
□ クマができやすい
□ 肌が荒れている
□ 唇や爪の色に赤みがない
□ 口角に炎症が起きやすい
□ ダイエットで食事制限をしたことがある
□ 睡眠不足の生活が続いている

4-2. 隠れ貧血になりやすいのは、こんな人

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下記に該当する人は、隠れ貧血が多いと言われています。

・毎月の月経による経血量が多い人
・婦人科系の問題(子宮筋腫など)を抱えている人
・妊娠中の人
・出産した人
・胃潰瘍や痔を抱えている人
・ピロリ菌などで胃の調子が悪い人
・甲状腺機能低下症の人
・激しい運動をする人
・サウナや岩盤浴で汗を多量にかくのが好きな人
・ダイエットや食事制限をしている人
・菜食主義で肉を食べない人

4-3. 隠れ貧血が婦人科系に及ぼす影響

生理 貧血
隠れ貧血は、下記のような婦人科系にも大きな影響を及ぼします。

・生理前や生理中に起きる虚血性貧血の症状が重くなる
・生理が不順になる
・生理痛がひどくなる
・PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)の症状がひどくなる
・不妊症になることがある

4-4. 隠れ貧血の確認には、フェリチン検査を受けよう

生理 貧血
貧血は、血液検査を行い、ヘモグロビン(Hb)の値によって診断されます。男性の場合は13㎎以下、女性の場合は12㎎以下で、貧血と診断されます。
隠れ貧血の方は、ヘモグロビンの値は正常です。そのため、見過ごされやすいのです。

隠れ貧血かどうかを判別するには、「フェリチン検査」を行う必要があります。
フェリチンとは、身体に貯蔵されている鉄が、血液中に漏れ出たものです。フェリチン検査では、身体の中に予備の鉄分がどれくらいあるか、鉄分が枯渇していないか調べることができます。

フェリチン検査は、一般的な健康診断における血液検査では検査項目にありませんが、採血を行ってくれる内科や婦人科で、保険適用にて受けることができます。
生理前や生理中以外でも貧血の症状が続く方や、チェック項目で該当した方は、検査を受けることをおすすめします。

5. 貧血にならないための予防法

食生活や生活習慣を見直し、貧血予防につとめましょう。ここでは貧血予防のための見直しポイントを、4つご紹介します。

① 積極的に鉄分を摂取する

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鉄は体内で生成できないので、鉄分が不足しないように、日頃から積極的に鉄分を摂取することが大切です。

■ 鉄分が豊富な食材を摂取する

鉄分の摂取には、鉄分が豊富に含まれている食材を摂取しましょう。
鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。ヘム鉄は肉類や魚介類、非ヘム鉄は緑黄色野菜に豊富に含まれています。

一般的にヘム鉄の方が、体への吸収が良いとされています。非ヘム鉄は、ビタミンCや動物性たんぱく質と一緒に摂取すると、吸収率が上がり、より効果が得られます。

人によって好き嫌いがありますので、無理はせずに。貧血予防のために、食べられるものから鉄分を摂取するようにしましょう。

【ヘム鉄】
・レバー、牛/豚モモ肉などの赤身の肉
・カツオ、マグロサンマなどの魚類
・カキ、アサリなどの貝類
・かつおなどの肉や魚

【非ヘム鉄】
・小松菜、ほうれん草などの野菜
・ひじきなどの海藻類
・プルーン
・大豆、納豆、豆腐などの豆類
・レーズン、いちじくなどのフルーツ
・くるみやカシューナッツなどのナッツ類

■ 鉄製の調理器具を使用してみる

調理には、鉄製の調理器具を使用しましょう。調理過程で鉄分が染み出て、鉄分が豊富な料理が出来上がります。特に南部鉄器は、体への吸収が良い鉄が摂取できるので、貧血予防におすすめです。

■ 鉄分の吸収を阻害するものに注意する

コーヒーや紅茶、緑茶やウーロン茶には、鉄分の吸収を阻害するタンニンという成分が含まれています。貧血の症状があるときは、できるだけ控えましょう。
飲むときには、鉄分が豊富な食材を摂取するタイミングとはずらすようにしましょう。

■ 食生活における心得

・朝昼晩、3食欠かさず食べましょう。
・鉄分が豊富であっても、同じ食材ばかりを食べ続けるのは控えましょう。
・栄養バランスの良い食事の摂取を心がけましょう。

② 睡眠をしっかりとる

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睡眠をしっかりとることで、健康的な血液が生産されます。
摂取した鉄分は、睡眠中に体に吸収されます。つまり、睡眠不足が続くと、せっかく鉄分を摂取しても、吸収されづらくなってしまうので、貧血予防になりません。
更に、睡眠不足が続くとホルモンバランスが乱れ、赤血球の生成がスムーズにいかなくなります。
このように、睡眠時間と体の造血作用は密接な関係があるので、貧血を予防するには睡眠時間を十分とるようにしましょう。

③ 血行をよくする

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血行が良いと、体が必要とする栄養素や酸素を、全身に運ぶことができます。
発汗によって鉄分やミネラルが失われてしまうので、激しい運動や、汗をたくさんかくことは、貧血を悪化させてしまうことがあります。
日頃から冷えに気をつけ、ジョギングやストレッチなど適度な運動を行い、血行の改善につとめましょう。
汗をかいた後は、水分も忘れずに摂取してください。

④ ストレスをためない

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ストレスはためないように心がけ、意識的に発散しましょう。
ストレスがたまると、ホルモンバランスが乱れやすくなり、全身に酸素を運ぶ役割を持つ赤血球の生産に、悪影響を及ぼします。
ストレスは、血行不良も招きますので、できるだけ除去するようにすることで、貧血予防につながりますよ。

6. 生理前・生理中以外で貧血の症状が改善されない時の治療について

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貧血の症状が進み鉄欠乏性貧血になると、食生活や生活習慣の見直しだけでは、改善することが難しくなります。重い症状にお悩みの方は、早めに内科や婦人科を受診しましょう。

鉄欠乏性貧血は、あくまで結果であり、貧血の症状を起こしているのは何なのか、その原因を特定する必要があります。
重度の貧血の場合、胃や大腸などの臓器における問題や、血液の病気の可能性もゼロではありません。実際、貧血症状を招いていた原因として、胃潰瘍や子宮筋腫などが見つかったという方も多いです。

適切な治療を受けることで、貧血の症状は改善できます。この章では、血液検査で鉄欠乏性貧血と診断された場合、どのような治療が行われるのか、ご紹介します。

6-1.鉄剤の服用

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鉄欠乏性貧血の基本的な治療には、鉄剤と呼ばれる鉄分を含んだ錠剤を服用します。
体の中の鉄量が満たされることで、貧血の症状は改善されます。ただし、鉄量を体に貯蔵するには時間がかかるため、貧血を完治するには数ヶ月にわたって薬を飲み続けなければなりません。

鉄剤を飲むと、次のような副作用が起こることがあります。
・便の色が黒くなる
・嘔吐、吐き気や胸焼け、便秘や下痢
・口の中に金属の味が残る

副作用がひどい場合には、薬を飲む時間の変更や、胃薬など症状を緩和する薬を併用することがあります。さまざまな種類の鉄剤があるので、長期間の服用が負担にならないように、鉄の種類を変更することもあります。

6-2.注射による鉄剤の投与

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貧血の治療を目的として注射で鉄剤を投与する場合、肝臓や心臓に鉄がたまる「鉄過剰」を起こす可能性があるため、基本的にはあまり用いられません。しかし、急いで鉄分を補充しなければならない場合や、錠剤では激しい副作用が出てしまって飲むことができないという場合には、この治療法が選択されます。

毎日続けて投与するのが望ましいため、通院は大変です。しかし、貧血の症状の程度にもよりますが、基本的に1〜2ヶ月で治療が終わるため、管理錠剤の服用に比べると短期間で終わるというメリットがあります。

7. まとめ

鉄分が体にとって十分に摂取されていると、貧血も、生理における不快な症状も、多少なり緩和することができます。貧血の予防は、毎日の食事や生活習慣の積み重ねが大切です。
症状軽減のためにも、是非できることから取り組んでみてください。
毎月の生理の負担が、少しでも軽くなりますように。

この記事は2016年9月14日(水)時点での情報になります。
また、記事の内容には個人差がございますのでご了承ください。

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