炭酸入浴剤の効果とその秘密

Pocket
LINEで送る

女性 秘密炭酸の入浴剤って体が温まって良いって聞いたけど本当に効果あるの?温泉の成分が入っているって聞いたけど本当?と思ったことはありませんでしょうか?

炭酸入浴剤とは、入っている成分の中で炭酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウムといった炭酸の元となる成分が多く入っており、“保温効果”や“清浄効果”、“リラクゼーション効果”があると言われています。
もし、炭酸入浴剤に「いつもより体を温めたい」という効果を期待しているのであれば、さら湯(何も入れていないお湯)でもお風呂の入り方次第で充分温まることができるので入浴剤は必要ないでしょう。
また、自宅で温泉の気分を味わいたいのであれば、天然の温泉成分から作られている「湯の花」がオススメです。

今回は、炭酸入浴剤に効果があるのか無いのか、目的別の効果的な入浴方法などご紹介していきます。

1.炭酸入浴剤の効果

炭酸入浴剤の効果と言っても、入っている成分によって引き出される効果は異なり、「炭酸」としての効果と「入浴剤」としての効果の2つがあります。
みなさんがイメージする炭酸入浴剤の効果は、「いつもよりあったまりやすい」「お風呂から出た後もポカポカする」などあるかもしれませんが、実はこれらの効果に炭酸はほとんど関係はなかったのです。

誤解がないようにご説明すると、まったく意味がない(効果0)ということではなく、効果を実感できるレベルではないということです。つまり、たまに使うだけなどでは効果が表れるものではありません。

1-1.炭酸としての効果

炭酸(全面)炭酸入浴剤の炭酸に効果を感じられないのは、効果を実感できるほどの“濃度”にならないからなのです。炭酸の効果を判断する際、ppmという“濃度“が重要な指標となり、炭酸の効果を実感できる最低の濃度は「400ppm(0.04%)」の炭酸です。

それに対し、炭酸入浴剤の濃度はと言うと、おおよそ60~100ppmほどになります。効果を実感できる濃度の1/7~1/4ほどで、効果が0ではないにせよ、かなり少ない数値になってしまいます。

ではなぜ、濃度が高くないのでしょうか?
それには、「炭酸入浴剤に炭酸成分をたくさん入れられない」ということと、「お湯には炭酸が溶けにくい・抜けやすい」という2つの理由があります。

炭酸入浴剤に炭酸成分はたくさん入っていない

炭酸入浴剤を使用する際、1回で使う量は30~50gほどです。この中には、炭酸を作る成分だけでなく、温め効果のある成分や美容成分、香料などのその他成分が含まれており、炭酸成分を多く含められていないのです。

もし仮に、炭酸入浴剤の全成分が炭酸だったとしても、200~250ppmが限界と言えるでしょう。

お湯には炭酸が抜けやすい・溶けにくい

炭酸水には天然のものと人工のものがあり、40℃(お風呂)の状態だと1000ppmが限界となります。

水が0℃の状態では3000ppm~6000ppmくらいの炭酸ガスを溶かすことができます。高い圧力で3000〜6000ppm以上の炭酸ガスを溶かしていますが、栓を抜いた途端に炭酸ガスが抜けて3000ppmくらいにまで下がってしまうのです。身近なもので言うと、サイダーやビール・炭酸水などです。

また、水の温度が20℃の場合だと、炭酸濃度は約1700ppmに減少し、40℃では1000ppmくらいまで抜けてしまいます。多くの方のお風呂の温度が40℃前後なので、お風呂では1000ppmの炭酸ガスを溶けこませるのが限界となります。

また、40℃ほどのお湯だと炭酸はとても抜けやすい状態です。コーラやサイダーなどを飲み残し、置いておいたらすぐに炭酸が抜けてしまった、ということが誰しも1度はあるかと思いますが、お風呂もそれと同じで置いておくとすぐに炭酸は抜けてしまうのです。特に40℃前後では、0℃の状態と比べてもとても抜けやすい状態です。

1-2.入浴剤としての効果

お風呂炭酸入浴剤には大きく分けて、「保温効果」「清浄効果」「リラクゼーション効果」の3つの効果が見込まれます。
これらは、どのような効果でどの成分が発揮されているのかを見ていきましょう!

保温効果

“保温効果”とは、身体から熱の放出を抑える効果のことです。
身体を温める効果と同じだと思う方も多いですが、温めることと、保温することは異なります。

保温効果は炭酸入浴剤に含まれる「無機塩類」という成分がもっとも働いてくれています。
炭酸入浴剤における主な成分は、硫酸ナトリウム・硫酸マグネシウム・塩化ナトリウム・塩化カリウム・炭酸カルシウム・炭酸水素ナトリウム(重曹)の6つで、塩を頭に思い浮かべて読んでみてください。

塩類が入っているお風呂に入ると、その塩類と肌表面のたんぱく質※がくっついて膜をつくります。肌表面に膜をつくる事で入浴中・入浴後の放熱を防ぐ役割があり、入浴後も身体をポカポカさせた状態で保ちます。
サウナなどで塩を体に塗ってから入ったりするのもこれと同じ原理です。

※人の肌は、水分とタンパク質と脂質からできていて、およそ3割がタンパク質なのです。

清浄効果

“清浄効果”とは、身体の表面の汚れを落とす効果のことです。

清浄効果は、炭酸入浴剤に含まれる「炭酸ガス」の成分がもっとも働いてくれています。主な成分は、炭酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウム・炭酸カルシウムの3つで、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸などと組み合わせて炭酸ガスができあがります。

先ほど、「炭酸の効果はない」とお伝えしましたが、この清浄効果は、炭酸そのものというよりも、気泡が効果を発揮するのです。

炭酸水の「気泡」は、タンパク質に反応する性質があります。皮脂や角質などの汚れはタンパク質なので、気泡が汚れに吸着し、浮かせて取り除いていきます。多量の泡が発生しているお風呂に手を入れたりすると手に泡がついたりしますよね。あれは手の肌表面の汚れ(タンパク質)に泡が吸着しているのです。

気泡(シュワシュワ)が多いと炭酸の効果が高そうに思えますが、水と結合していた炭酸ガスが抜けているだけなのです。

炭酸 気泡 効果

リラクゼーション効果

“リラクゼーション効果“とは、精神的に落ち着き・安定する効果のことです。

リラクゼーション効果は、炭酸入浴剤に含まれる「香料」、「着色料」の成分がもっとも働いてくれています。

香料や着色料が入っていいない入浴剤もありますが、多くの入浴剤には含まれており、“香り”や“色”があることで気持ちを安らげたり、ストレス解消できたりしますよね。
アロマテラピーの香りで何だか安らいだり、森林(緑)を見ていると落ち着いたりするのと同じです。

2.入浴剤を使わずに効果的な入浴にするには?

ここでは、欲しい効果ごとにどうすることが良いのか、オススメの方法をご紹介していきます。
下にも図でも表しましたが、

■炭酸をとにかく感じたい人には、濃度の調整ができる手作り炭酸入浴剤がおススメです。
■いつもよりお風呂で温まり、代謝を上げていきたい人は、身体の中から温まるヒートショックプロテイン入浴法がオススメです。
■お家のお風呂で温泉気分を味わいたい人は、天然温泉からできている「湯の花」がオススメです。

炭酸入浴剤 オススメ 入り方

2-1.炭酸の効果を感じる方法

先ほど、400ppmであれば効果を感じられるとお伝えしましたが、ここでは効果を感じられる400ppmの濃度になる炭酸入浴剤の作り方をご紹介します。
これ以上の濃度にすると、肌の弱い方などはピリピリを感じたりするので、あまりオススメできません。
もし、肌に異常を感じた場合はすぐに使用を中止してくださいね。

用意するもの

・重曹 160g
・クエン酸 130g
・お湯 いつも通り(200ℓ)
・天然塩 40g
・エッセンシャルオイル(お好みで)

※半身用の時は以下の分量にしてください
・重曹 120g
・クエン酸 100g
・お湯 120~150ℓ
・天然塩 15g
・エッセンシャルオイル(お好みで)

塩エッセンシャルオイル

作り方

①エッセンシャルオイルをバスタブに入れる
お湯を入れる前にバスタブにお好みのエッセンシャルオイルお3~5滴ほど入れておきます。

②お湯をいれて沸かします
あまり熱めに沸かしてしまうと溶け込んだ炭酸が抜けやすくなるので、先ほどご紹介した39~40℃くらいで沸かすことをオススメします。

③材料を湯船に入れます
事前に重曹・クエン酸・塩を混ぜ合わせておいて、沸かしたお湯に全て入れます。塩は保温効果を高めるために入れているので、もし必要なければ入れなくても大丈夫です!

④かき混ぜる
桶などを使い、5~8回ほど良くかき混ぜましょう。

⑤換気する
炭酸がたくさん発生すると人によっては苦しく感じることもあるので、入浴する前に換気扇を回しておきましょう。

⑥入浴
先ほどご紹介した時間を目安に入浴してみてください!

※材料を集める際のポイント※

■重曹、クエン酸は“食品用”のものを選びましょう
掃除用のものもありますが、肌に直接触れるので口に入れても安全なものがオススメです。

■炭酸ソーダを選ばない
重曹とは「重炭酸ソーダ(炭酸水素ナトリウム)」とも言われています。
これと似ているもので「炭酸ソーダ」が売られていますが、炭酸ソーダはアルカリ性が強く、入浴には使用できません。
濃い状態で触ると肌荒れを起こすこともあるので成分表記はしっかりと読みましょう。

2-2.いつもより身体を温める方法

ここで紹介する入浴方法は、ただその時だけ温まるのではなく、常に温まりやすい身体をつくり、冷え性の改善や風呂上りのポカポカを実感できると思います。

ヒートショックプロテイン入浴法

これを行うと身体全体の血行が促進され「温まりやすく冷めにくい体」になっていきます。
ヒートショックプロテインとは、傷ついたタンパク質の修復をしてくれるタンパク質のことで、この細胞が増えると体全体の細胞が活性化します。

①お風呂に入るまえに水分補給をする
入浴中は汗をたくさんかくので、先に水分を補給しておきましょう。
目安は500mlほどで、ジュースなどは避け、水やお茶・スポーツドリンクなどがオススメです。

②お風呂は40~42℃に設定します
ポイントは少し熱めというところです。お湯が冷めないように蓋などで覆ってあげると良いでしょう。

③目安は体温が38℃になるように温まる
最初は正確に測ることをオススメしますので口にくわえる体温計で体温をチェックしてみてください!
体温38℃になるおおよその時間ですが、40℃なら約20分、41℃なら約15分、42℃なら約10分ほどで38℃になりますので、もし体温計が無い場合はこれを目安に入浴してみましょう。

④お風呂上りは15分ほど保温する
お風呂から上がったら、タオルケットやバスローブを体に巻いて保温してください。この時、髪の毛を乾かしたり、化粧水などの成分をつけておくと時間の無駄使いも無くなります。

また、この時にのどが乾いたら常温の水などを飲むようにしてください。

⑤保温後はゆっくりと体温を元に戻す
暑いからといって急速に体を冷やすと、体がびっくりして体調を崩したり、風邪を引くこともあるので、夏などはクーラーを26~28℃くらいに設定しておきましょう。

※入浴時間は合計でも良い※

入浴時間は合計でも問題ありません。
長く入浴することになれていない方だとのぼせてしまう危険性もあるので、慣れていない方は数回に分けて入浴しましょう。この時、身体が冷めすぎないようにしてくださいね。

※週に2回がオススメ※

この入浴法の最も効果が出るのが、入浴の2日後と言われており、週に2回ほど行うのが理想的です。1~2回行えば、効果が出るのではないので、複数回継続して行ってみてください!

※体温が上がりにくくなったら1~2週間お休み※

長く継続的に続けていると熱いお湯に慣れてきて、体温が上がりにくくなることがあります。
この時は1~2週間ほどこの方法をお休みして、またその後から行ってみましょう。

足湯・手湯

これは短時間でできて、手間もあまりかからないため、冬の時期など足や手が特に冷えを感じる季節にはオススメです。

①洗面器に40~42℃のお湯を入れる
少量のお湯は冷めやすいので、温かめのお湯を使い、洗面器に10~15㎝くらいの高さまでお湯を入れましょう。
目安としては、手の場合は手首がしっかりと浸れるくらい、足の場合はくるぶしがしっかりと浸れるくらいです。

②お湯に手や足を入れる
手足の冷えの具合にもよりますが、5分以上15分未満がオススメです。
もしお湯が冷めてしまった時は、温かいお湯を注ぎ足し、お湯を42℃くらいにキープできるようにしましょう

※汗が出ないようにしましょう※
全身から汗がでない程度にしておきましょう。汗がたくさん出てしまうと、汗で熱が奪われてしまいます。

足湯

2-3.自宅で温泉気分を味わえる方法

自宅で温泉気分を味わいたいなら、温泉成分からできている「湯の花」を使うことをオススメします。

湯の花とは、温泉水に含まれる成分が結晶となって沈殿したもので、源泉が冷却されたり、蒸発、化学反応を起こすことで岩や、湯船などに固形として沈殿、付着してできるものです。
この湯の花の良いところは、別府温泉や草津温泉といった有名どころの湯の花なども通販で購入することができるので、温泉気分どころか温泉成分をそのまま自宅で味わえてしまうのです。

※注意点※
追い炊きできないものや、湯の花を入れた後のお湯を洗濯に使えないもの、貴金属などを傷めてしまうものもありますので、表記をしっかりと読んでから使いましょう。

3.炭酸の効果

ここまでは炭酸入浴剤に炭酸の効果があるのか・無いのかをご説明していましたが、ここではそもそもの炭酸の効果とは一体どういうものなのかをご紹介していきます。

炭酸には「血行促進効果」と「気泡による汚れ吸着効果」の2つがあり、良く耳にする“炭酸の効果“は血行促進効果を指すことが多いでしょう!

3-1.血行促進効果

炭酸に含まれる二酸化炭素(CO2)は、毛細血管に浸透することで「血流を良くする」効果が実証されており、肌から浸透させると血流が平常時の約4倍に増加させることが出来るのです。

肌に炭酸が浸透していくことで、炭酸に含まれる二酸化炭素は「血管(血液)」まで浸透していきます。
すると、血管内では二酸化炭素の濃度が平常時よりも高くなり、身体の中では「大変だ!酸素が足りないぞ」と勘違いします。

この時、血管内では酸欠と似た状態となり、酸素(血液)をたくさん供給させるために、微量の一酸化炭素(NO、別名:体内ニトロ)を分泌させます。
一酸化炭素は、血管を拡張させ、血流を飛躍的に増加させることで、酸素を供給することができるのです。

炭酸 血中効果

したがって、炭酸(二酸化炭素)により血流が良くなるのです。

血液には、細胞の働くエネルギーになる“栄養分”がたくさん含まれているので、この「血液の流れ(血流)」が良くなると、細胞の働きがより活発になっていきます。

入浴の場合は、全身から浸透させることができるので、冷え性や肌荒れの改善、肌がスベスベになったりなどの効果が見られます。

実際に血流に関する実験の記事があるので、そちらもご覧になってみてください。

日本経済新聞
シーオーツープラス株式会社

3-2.気泡による汚れ吸着効果

“気泡”(シュワシュワ)には「肌の汚れを吸着して落とす」効果があるのです。

炭酸水の「気泡」は、タンパク質に反応する性質があります。
皮脂や角質などの汚れはタンパク質なので、気泡に吸着し、汚れを浮かせて取り除いていきます。

しかし、気泡自体には、炭酸の効果(3-1.血行促進効果)はありません。
気泡(シュワシュワ)が多いと炭酸の効果がありそうに思えますが、実は、水と結合していた二酸化炭素が抜けているだけなのです。

炭酸 気泡 効果

4.旅行で行きたい!炭酸温泉

ここでは、特に炭酸濃度の高い温泉をご紹介します。
家だけでなく旅先でも炭酸を実感したいのなら以下の炭酸温泉が高濃度でオススメです!
もし、旅行する機会があればぜひ行ってみてください!

炭酸濃度の高い天然炭酸泉

① 島根県の小屋原(こやはら)温泉(4位 3100mg) [1時間:500円]
炭酸温泉(小屋原温泉)

② 大分県の長湯温泉 「ラムネ湯」(第5位2970mg) [一律:200円]
炭酸温泉(長湯温泉)

③ 福島県の大塩温泉(第6位2856mg) [無料]
炭酸温泉(大塩温泉)

※炭酸濃度1位~3位の温泉(岐阜県 湯屋温泉・青森県 みちのく温泉・島根県 頓原温泉)は、人が入れる温度(約40度)に加熱する際、炭酸が抜けてしまい浴槽では濃度は低くなっています。

炭酸濃度の高い人工炭酸泉(関東)

① 千葉県 湯快爽快湯けむり横丁美浜店 (平日:600円、土日:700円)
② 埼玉県 喜楽利別邸・宮沢湖温泉 (一律:1000円)
③ 神奈川県 湯乃市柄沢店 (平日:600円、土日:700円)
④ 東京都 湯楽の里国立温泉 (平日:800円、土日:900円)

各地方の人口炭酸泉をもっと知りたい方はコチラもご覧になってみてください。
炭酸温泉ガイド

5.まとめ

いかがだったでしょうか?
市販の炭酸入浴剤には、炭酸の効果を実感できるほどの量は含まれておりません。その反面、保温効果や清浄効果などその他の効果は見込まれますので、そちらが目的の方にはオススメです。
炭酸の効果をとことん感じたい方は、手作り炭酸入浴剤を作ってみてください。
また、温まることが目的の方は、ヒートショックプロテイン入浴法や部分浴を試してみてください。
また、自宅で温泉気分を味わいたいという方は、温泉成分そのままの湯の花がオススメです。

みなさんの目的に合わせて、炭酸入浴剤を使用するかどうかは判断してみてください!!

この記事は2016年7月12日(火)時点での情報になります。
また、記事の内容には個人差がございますのでご了承ください。

Pocket
LINEで送る