コラーゲン線維形成を最も促進するコラーゲン受容体「DDR2」を発見

株式会社ファンケル
2018.09.20

株式会社ファンケルは、シワやたるみのメカニズム解明の一つとして、加齢で真皮のコラーゲンの量が減少するだけでなく、コラーゲンの質も変化することに着目して研究を進めてきました。その中で、細胞とコラーゲンを接着させるコラーゲン受容体(1)タンパク質「DDR2」(2)に注目し、その機能性の解明を進めてきました。その結果「DDR2」が、種々存在するコラーゲン受容体の中で、コラーゲン線維の形成を最も促進させることを発見しましたのでお知らせします。この発見はシワやたるみのメカニズムの一因を示すもので、今後のエイジングケアに役立てていくことができる研究結果です。本研究結果は、8月25、26日に開催された第14回加齢皮膚医学研究会(於:青森県弘前市)にて口頭発表しました。

<研究結果>
【コラーゲンの線維形成に最も影響があるコラーゲン受容体は「DDR2」】

皮膚の線維芽細胞(3)には、「DDR2」のほか、インテグリンβ1、Endo180という3種類のコラーゲン受容体が存在しています。これらのコラーゲン受容体は、紫外線などでダメージを受けたコラーゲンを認識し、ダメージを受けたコラーゲンを排出する代謝に関係していることは分かっていました。しかし、コラーゲン線維の形成に対する関連性は分かっていませんでした。そこで、この3種のコラーゲン受容体の発現量をそれぞれ少なくした線維芽細胞を作成し、コラーゲンの線維形成との関連性について検証しました。
その結果、いずれの受容体も発現量を減少させていないコントロール細胞と比較すると、「DDR2」を減少させた細胞では約50%、インテグリンβ1を減少させた細胞では約24%のコラーゲン線維形成が抑制されていました(図1、2)。一方、Endo180を減少させた細胞では、約17%増加していました(図1)。以上のことから、3種のコラーゲン受容体で「DDR2」がコラーゲンの線維形成に最も影響することが分かりました。
また、「DDR2」が減少するとコラーゲン線維も減少することから、真皮のハリ低下の一因になる可能性も考えられました(図2)。


【「DDR2」を増やすことで効果的にコラーゲン線維形成が促進されることを発見】
「DDR2」の量が減少すると、コラーゲン線維が減少し、真皮のハリと弾力の低下につながる可能性が分かりました。そこで、「DDR2」の発現量を人工的に増加させた細胞を作成し、コラーゲン線維の形成について調べました。「DDR2」の発現量を操作していないコントロール細胞と比較し、「DDR2」を過剰に発現させた細胞は、コラーゲン線維の形成が促進され、コラーゲン線維量が約12倍にも増加しました(図3)。このことから、コラーゲン産生力が低下した細胞の再生には、「DDR2」の産生量を増やすことが効果的であると付論づけました。

<研究背景>
肌の真皮中に存在する線維芽細胞は、シワやたるみに関わるコラーゲンやエラスチン(4)を作り出す重要な細胞です。しかし、老化によって細胞の機能が低下すると、コラーゲンやエラスチンを生み出せなくなり、肌はハリや弾力を失い、シワやたるみが発生します。そこで本研究では、コラーゲンの再生と分解を制御するコラーゲン受容体に着目しました。これまでに当社は、「DDR2」がコラーゲンやエラスチンの線維形成に関わっていることを発見しました。本研究は、さらに研究内容を掘り下げて根本的なエイジングケアができるように、最もコラーゲン線維形成に影響があるコラーゲン受容体の研究を行いました。

<本研究結果の展開>
当社ではさらに「DDR2」の研究を行い、月見草(植物名:メマツヨイグサ)のエキスに「DDR2」の発現量を増加し、コラーゲンの線維形成量も増加することも発見しました。(図4)。
これらの結果は、コラーゲンの質にまでこだわりながら、再生を促すことが期待できるスキンケア製品の開発に応用しました。

【用語解説】
(1) 受容体:特定の刺激物質を受け取り、情報を伝達する物質
(2) 「DDR2」(Disocoidin Domain Receptor 2):線維芽細胞に存在し、損傷したコラーゲンを認識してコラーゲンの再構築に関連するタンパク質
(3) 線維芽細胞:真皮に存在する細胞で、コラーゲンやエラスチンなどを産生する細胞
(4) エラスチン線維:弾力線維とも呼ばれ、コラーゲン線維を支える役割がある

提供元:PR TIMES