「扶養範囲は103万円以内」 気をつけたい控除のしくみと税金の関係

扶養 103万
パートやアルバイトをする上で気になる「103万円の壁」。
実はあまり知らないという人も少なくありません。

せっかく働いたのに、結局手取りが減ってしまうのは避けたいところ。扶養控除のしくみや収入によって変わる控除の種類について学んでいきましょう。

パートをする際の収入ごとのポイント

103万円以内なら扶養控除が適用される

妻や子どもなど、扶養に入っている人がパートやアルバイトをする場合、金額によっては扶養を外れなくてはならないことがあります。
扶養の範囲内で働きたい人は、どのくらいの金額まで扶養として認められるのかを、知っておくことが大切です。

パートの場合は、収入が年間で103万円以下の場合に、配偶者の配偶者控除が適用されます。控除額は、70歳未満の人で38万円となります。
【参照リンクhttp://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1191.htm

アルバイトの場合も、収入が年間103万円以下の人は、親族の扶養控除が適用されます。控除額は、その年12月31日現在の年齢が16歳~18歳の人で38万円、19歳~22歳の人で63万円となります。
【参照リンクhttp://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1180.htm

ちなみに、収入が103万円以下の場合は、課税対象となる所得額が0になるため、所得税もかからないということになります。
収入から、給与所得控除の最低金額である65万円と、基礎控除である38万円を差し引いた額が、課税対象となる所得額となるためです。

しかし、会社によっては、毎月10%が引かれていることも。その場合には、確定申告をすることで戻ってくるので、忘れずに申告しましょう。

103万円からは所得税がかかる

配偶者のパートやアルバイトによる収入が、103万円を超えてしまった場合には、配偶者控除は適用されません。

また、103万円を超えた額に対し課税され、所得税がかかってきます。しかし、配偶者控除に代わり、配偶者特別控除が適用されるようになります。

配偶者特別控除は、収入が103万円超から141万円未満まで適用され、収入金額によって変化していきます。たとえば、収入が109万円の場合には控除は36万円となり、収入が140万円の場合には、控除は30,000円となります。
【参照リンクhttp://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1195.htm

ただし、学生の場合には勤労学生控除が適用され、収入が130万円までは所得税はかかりません。

しかし、扶養からは外れることになるため、その違いに注意が必要です。
【参照リンクhttp://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1175.htm

130万円以上は扶養を外れるが特別控除は適用される

勤務状態や企業の規模によっても異なりますが、収入が130万円を超える場合には、扶養を外れることになります。

したがって、夫など扶養者の保険ではなく、自分で社会保険に加入しなければなりません。
ただし、収入が141万円未満の場合は、配偶者特別控除の適用範囲内となります。

収入金額によって、配偶者特別控除を受けることができます。

しかし、特別控除を受けることはできても、社会保険に加入することで、支払いの額が増えてしまうことに。
働く時間を増やし、収入が増えたのに、支払いが増えてしまったということもあるので、注意が必要です。

141万円以上は扶養外かつ控除適用もない

収入が141万円以上になると、扶養を外れるだけでなく、さまざまな控除が適用されません。
社会保険加入に伴って、支払いが増えるだけでなく、収入から差し引くことのできる扶養控除もないため、負担となる金額が増えるでしょう。

そのため、収入を増やそうとして、勤務日数や時間を多くしても、収入が141万円以上になると、一気に負担が増えてしまうことに。パートやアルバイトで働くときには、勤務日数や時間を単純に増やすのではなく、扶養や控除を考慮して働くことが大切です。

収入額によって変わるパートの手取り額への影響

扶養や控除のしくみは複雑で、一見わかりにくいもの。
少しでも収入を増やそうとして働いていても、その収入金額によっては、収入は増えたけど手取りが減ってしまったということにもなりかねません。

子育てや家事とのバランスをみながら働きたいという場合には、103万円以内に抑えることが効率的だといわれています。

また、129万円までであれば、所得税はかかってしまいますが、手取りは増やすことができるでしょう。

しかし、130万円を超えると負担額は一気に増加します。社会保険の費用がかかるため、手取り額が減ってしまうことに。収入額を意識しながら働くことが、賢く働くポイントです。

近年の扶養控除の改正

2018年1月より150万円まで扶養控除適用

さまざまな扶養控除制度ですが、改正が行われ、少しずつ変化していくため、注意しておきましょう。
これまで「103万円の壁」といわれていた配偶者控除は、2018年1月から、150万円までに引き上げられます。

今後は、新たにできた「150万円の壁」を意識して働くことになります。

また、141万円未満だった配偶者特別控除も、201万円未満までと引き上げられることになります。
配偶者控除を考慮して、働く時間を抑えていた人にとって、配偶者控除を受けるという面では、これまでよりも働き方を広げやすくなるでしょう。

新たにできた106万円の壁

適用額が引き上げられ、働きやすくなった扶養控除とは反対に、新たに負担となる人が増えたものも。
社会保険は、これまでは加入する基準額は130万円以上となっていましたが、2016年10月からは、この基準が106万円以上へと引き下げられました。

ただし、勤務時間が週20時間以上かつ、収入が月8万8000円以上かつ、1年以上勤務する見通しであることかつ、従業員が501人以上の企業であること、この4つの条件をすべて満たす人のみの適用となります。
条件を満たさない場合には、これまでと同様に130万円が基準となります。

扶養内で働きたい場合の注意点

夫の会社の家族手当の条件も確認

扶養となっている場合には、扶養控除や社会保険での優遇だけでなく、会社ごとに家族手当や扶養手当などが支給されていることがあります。
妻や子どもが、パートやアルバイトをして扶養を外れる場合には、この家族手当も減額したり、なくなったりすることがあるため注意が必要です。

支給対象条件は、各会社によって異なるため、確認しておくとよいでしょう。
会社の基準として、配偶者控除や社会保険の基準などを取り入れているところも多いため、それもふまえて働き方を考えることが大切です。

103万円を超えると夫の税金も高くなる

妻や子どもが、パートやアルバイトによって得た収入が、103万円(2018年1月からは150万円)を超えると、扶養者である夫や父親の税金も高くなります。
配偶者控除や扶養控除がなくなるため、その分の控除が減り、所得税や住民税などの課税金額が増えてしまうのです。

パートやアルバイトをする本人だけでなく、家族全体として負担が増えてしまうことになります。

したがって、新たに働きはじめるときには、事前に家族と相談しておくと安心です。

扶養と税金の関係を知り自分に合った働き方を選ぼう

複雑で、一見わかりにくい扶養と税金の関係。
よく知らずに働いていると、一生懸命働いているのに、かえって負担が増えてしまったなんていうことにもなりかねません。
働く前に、まずはしっかり知っておくことが大切です。扶養控除や社会保険の制度を考慮しながら、効率よく働いて行きたいですね。